第46章 加減
一度溢れ出した涙は止まらなかった
「うぇっ、ぐすっ、ごめん、こんな主でごめん、そうだよね、皆の好きな物知らないし、酒飲んで酔っ払って、クソビッチな主なんていらないよね、ごめんね」
「あ、主!?!?泣くな悪かった!!!今助けてやるからな!!何か持ってくるから待ってろ!」
鶴丸の声は届くこともせず佳奈は蹲り手で頭を覆っていた
一方、鶴丸は本丸に戻り大騒ぎをして、何事かと問われると主が落とし穴から助けないと騒いでいた
そのせいか落とし穴に刀剣達が集まってきていた
「主、手伸ばしてみて」
石切丸は自分の手を落とし穴へ伸ばした
だが当の佳奈は蹲ったまま反応がなかった
「主君!石切丸様に応えてください!」
「あるじさん、今助けるから」
「大将!上見ろ!」
上からは声がするけど泣き止むのに必死で何言ってるかわかんないし、暗いしなんか土がぼろぼろ降ってくるし怖い
そう思ってると周りの土が崩れてきて勢いよく降り掛かってきた