第46章 加減
慣れない裁縫なんてやばい
さすがに疲れた
さっきから手に針ぶっ刺さりまくってるし
なんかとりあえず紋の刺繍やってみたけど下書きの時点で画伯だから難しいし、裁縫は難しいしもっと家庭科の授業しっかり受けとけばよかった
「主、入ってもいいか?」
「……はーい!どうぞ」
いきなり声をかけられて咄嗟に出していたものをしまった
「お取り込み中だったか?」
「ううん、大丈夫。鶴丸さんはどうしたの?」
「いやぁ何、きみに驚きをもたらそうと思ってな」
「驚き?」
「ああ、とりあえず庭に出てみてくれ」
私は鶴丸さんに言われたとおり、縁側にある靴を履いてに庭に出た
一歩踏み出すと片足が沈み重力に伴って身体ごと落ちた
「っ!?!?!?」
あまりにも突然のことに声が出なくて気づいた時には、目の前には土があって上には青空が広がっていた
「くっははは、見事にかかってくれるとは流石、俺の主だな」
覗き込んできた鶴丸さんは私を見るなり爆笑していた
落とし穴?てか深くね?この穴2メートルくらいあるよな
いやなにこれいじめ!?クソ主に対するいじめか!?
しかもバランス崩して顔に泥つくし目痛いしなにこれ辛すぎ
あ、やばい、視界がぼやけてきた
泣いちゃだめなのに、鶴丸さん悪くないのに泣けて来る