第44章 寝かせたがり
「佳奈、ありがとう。貞ちゃんと鶴さんと会わせてくれて」
見つめているとふと呟くように言った
「そんな、私、全然光忠に感謝されるようなことしてない」
「そうやって謙遜しないで。そういうときは、どういたしまして、でしょ?」
「うっ、どういたしまして……」
「よくできました」
光忠は手を拭いて私の頭を撫でた
頭を撫でる手は止まらず、手は下にくだり頬に触れた
「……光忠、お冷ちょうだい」
「あ、うん、今用意するから待ってて」
内心心臓がドクドクと音を立てている
頬に光忠の手が触れた時、目をみると目の色が揺れている感覚に陥り、そして妖しく光りそうになっていた
このままじゃあの時、光忠が結界を張った時と同じになってしまうと思い、咄嗟に本来の目的を果たすために口を開いた
「はい、水」
「ありがとう」
水を受け取り一気に流し込んだ
水を飲み干して空になったコップを洗おうと立ち上がると、光忠がコップを奪い僕が洗っておくよと言い私は厨をあとにした
部屋に戻ると伽羅ちゃんが布団の上に座っていた
「遅かったな」
「光忠と話してて、ごめんね」
「何事も無かったか?」
「うん、大丈夫」
言わなくても良いよね
何もされたわけじゃないし
「伽羅ちゃん、寝よ、眠い」
「あぁ」
私はそう言って布団に潜り込もうとすると伽羅ちゃんも一緒に布団にまた入ってた寝た
お腹に置かれた手がポンポンとリズムを取り、深い眠りにつくには充分だった