第5章 爆弾投下
次郎さんと喋っていると、廊下の方がすごく騒がしくなった。
「お、出陣部隊が帰ってきたみたいだねー」
「次郎さん、一緒に迎えに行きたいんだけど、いいですか?」
「もちろんさ!」
私と次郎さんは廊下にでて玄関の方へ向かう。
私は目を疑った。目の前には血まみれの鯰尾くんが抱えられていて、酔いは一気に醒めて、全身の血の気が引いていく感覚がする。
「な、何があったんですか?」
「大将、悪い、部隊長の俺がやらかした。刀解なり破壊なりしてくれ」
「そんなことしないです!とりあえず鯰尾くんを手入れ部屋に!薬研くん達は部屋で待機しててください!」
バタバタと一同に走り回り、部屋にいた刀剣男士も何事かと様子を見に来ていた。
鯰尾くんを手入れ部屋へ入れて、小人みたいな式神さんにお願いしてさっきの部屋へ戻る。
「大将、申し訳ない」
薬研くんは土下座をしてきた。突然のことに頭が付いていかない。
心臓がバクバクと鳴っている。
なんで土下座なんてするの。
土下座されたのなんて人生初だよ……私なんかに土下座しないで頼むから。
「えっと、顔を上げてください。まず、薬研くん、骨喰くん、前田くん、大倶利伽羅さん、歌仙さん、遠征お疲れさまでした。そして一期さん、弟さんを怪我させてすみませんでした」
私はそう言って土下座をする。
周りから顔を上げてくださいなんて声が聞こえたけど、すべてを指示してるのは私。遠征先を間違えてしまった私の失態だ。
怪我させたのは紛れもなく私。土下座するのは紛れもなく私なのだ。
頑なに顔を上げないでいると、無理やり誰かに起こされた。