第42章 歓迎と戸惑い
厠へ到着すると私を下ろした
「飲みすぎです。水とタオルを持ってくるのでここで吐いていてください」
そういうと水を取りに行ってしまった
吐くなんて初めてのことすぎて戸惑う
吐いたら負けだとずっと思って生きてきたから尚更吐けないんだけど
頭はぐわんぐわんして心臓もバクバクと鳴って気持ち悪さが相まって座ったまま身動きが取れなかった
「おい、大丈夫か?吐けないのか?」
意外な声に目を向けると同田貫さんがいた
「吐いたこと、なくて、どうしたら」
言葉を紡ぐと同田貫さんは指を私の口に無理矢理入れてきた
「お、おい!同田貫、何をしている?主が苦しがってるだろ!!」
水を持ってきたであろう長谷部の声がした
「こうでもしねぇと吐けないからだ。この前この本丸にあったパソコンとかいうので見たんだよ」
奥まで指を入れられ、もう吐かざるおえなくなってしまった
「よし、水で口ゆすげ」
「どうぞ」
長谷部がコップを差し出してきて、受け取って口をゆすいだ
「少しは楽になったろ」
「…ごめんなさい、申し訳ないです、同田貫さん、ごめんなさい」
「謝んなって、元々ちょっくら一風呂でもしてこようと思ってたから、なんでもねえよ」
そういうと同田貫さんは立ち上がって行ってしまった
「もう大丈夫ですか?」
「ごめんなさい、大丈夫、とりあえず外で酔い醒ますから」
「なら俺も共にいます」
「大丈夫だよ、歓迎会なんだし、みんなと親睦深めて」
「しかし!」
「これは主命です、行きなさい」
私は長谷部の背中を叩き広間へ戻るように促した