第42章 歓迎と戸惑い
それから料理もすべて運び終わり、歓迎会の準備もひと通り終わった
皆それぞれ飲み物が入ったグラスを手に取り乾杯の音頭を取った
皆一人一人顕現した男士に乾杯をして、グラス同士をくっつけては挨拶をした
主役じゃない私にも主だからという理由で、皆挨拶をしてきてくれた
何この会社的な飲み会は
上司に挨拶しながら回るあれを思い出して少し動揺する
ひと通り挨拶も終え皆席移動もしたりして、がやがやしているとまんばちゃんが来た
お疲れ様ですっていいながらグラスを合わせて笑顔をむけた
「笑顔が引き攣ってるが大丈夫か?」
「大丈夫、何でもない」
「何でもないことはないだろう?そうやって隠そうとするのは無しだ。それとも俺が写しだから言いたく無いのか?本科の山姥切でないと駄目なのか?」
「…写しなんて関係ないって最初に言ったじゃん。山姥切国広は山姥切国広なの。私の初めての刀が山姥切国広、あなたなの。ちゃんと理由言うから」
そういうと空いていた私の隣に座った
「…皆、私に挨拶して乾杯してくれてるのは凄く嬉しいんだけどね、前の世界にいた時の飲み会思い出しちゃってさ……」
一息ついてグラスに入った飲み物を一口飲み私は続けた
「皆イイ顔をしながら、嫌いな上司に笑顔を向けて乾杯するっていうのを思い出したの」
その一言にまんばちゃんは驚いた顔をしていた