第4章 やってしまった
うわーという声と廊下を走る音が聞こえた。どうやらどこかへ行ってた主が戻ってきたらしい。
僕は頭を抱えるよ。どこの世界に奇声を発しながら廊下を走る女の人が居るんだろう。ましてやそれが僕の今の主なんて信じたくもない。
「燭台切、心の声がダダ漏れですよ」
「宗三さん、君はまだ主と一対一で話したことがないからそう言えるんだ」
「何かあったのか?」
「ほら長谷部くんまでこうやって僕を惨めな思いにさせる」
「あららーアタシなんて寝ててまだ姿見てないから一対一で話すなんてアンタ贅沢じゃない」
宗三さんに長谷部くんに次郎さんまで……
未だに奇声を発しながら走り続けてる主に本気で困るよ。
そろそろ近侍変えてほしいななんて悩みが浮かぶ。
最近一期さんけっこう近侍になってる確率高いから、そろそろ彼に近侍変わってもいい頃なんだけどな……なんて言ったところで主は僕の事をかっこいい好きとか言ってたから無理そうだけど。