第39章 愛され方
「そんなに目を擦ったら腫れてしまうよ」
「ひっく、ぅう、ごめ、なさ……」
「主、歌仙、入りますよ」
襖の外から声がして襖が開くと、宗三さんと小夜が入ってきた
「主、これ目に当てて」
小夜がホットタオルを持ってきてくれた
受け取って目に当てると気持ちよかった
「少しは落ち着きましたか?それから歌仙に押し付けるようなことをしてすみません」
「いや、問題は無いよ。にしても、燭台切と長谷部は大丈夫だったかい?」
「ええ、全く問題はありません。あの2人には大倶利伽羅と薬研の見張りをつけていますから」
「それなら大丈夫そうだね…ちょっと僕は休んでくるよ」
歌仙さんはそう言って部屋を出ていった
小夜が机の上に置かれたお茶を入れ直しにお盆を持って部屋を出ていき、宗三さんと二人きりになった
「まったく、貴方も貴方です……薬、抜けましたか?」
「…っ、はい、本当にごめんなさい。私、迷惑かけてばかりで」
「迷惑だなんて思っていませんよ。それに、貴方がいなければ、僕達は顕現できていません。貴方は僕達の主です」
謝ると同時に小夜が戻ってきた
「もう泣かないで。僕にできることなら復讐でもなんでもするから」
「小夜、ありが、と、大丈夫」
呼吸を整えていると小夜は背中を摩ってくれた
「……光忠に、謝らなきゃ…長谷部さん、にも謝らないと」
「今日は、あの2人に会わない方がいいと思うけど。手合わせ部屋で手合わせしてるし、あの目は戦場にいる時の目だったから危ない」
小夜の言葉に目を見開いた