第39章 愛され方
「…歌仙さん、ごめんなさいっ……話、全部聞いてた………ごめんなさい」
歌仙さんは私を起こして、綺麗にして処理までしてくれた
不甲斐なさに涙が溢れてきて俯きながらそういった
「ごめんなさい。嫌でしたよね……本当にごめんなさい。無理矢理抱いてもらうようなことして、本当にっ」
「謝らないでくれ、僕は僕の意思で襖を開けたんだ」
「嘘、つかなくて、いい、ですっ」
「嘘なんかじゃない」
泣きながらうずくまる佳奈を抱きしめ頭を撫でた
「嘘だったらこんなことはしないだろう?僕は主が思っている以上に凄く主のことが好きなんだ。僕だけじゃない他の刀剣もさ…」
「…優し、すぎますっ」
「好きだからだよ。僕だって、君を隠すことが出来たらしたいくらいに、佳奈の事が好きで仕方が無いんだ。でも君はみんなの主だからね。そんなことは許されないから代わりに結界を張りたくなるんだ。燭台切だって悪気があってしたんじゃない」
「ごめんなさい……家族、以外にっ、愛されたこと、なかった…か…らっ、わかんなくて」
「うん」
「甘え方も、頼り方、知らなくて、彼氏だった人も、知り合った男の人、みんな、体目当てだったから、どうしていいか、わかんなくて」
「大丈夫、これからゆっくり知っていこう。僕達がいるんだから。焦ることはないよ」
「歌仙さんっ」
私は声を上げて泣いているのにも関わらず、歌仙さんは優しい言葉をかけて慰めてくれる
そんな優しさが愛されてるんだと理解した