第36章 依存
視界が開けるとまだ誰も広間には居らず、ご飯も何も置かれていなかった
結界の中に入ってしまうと、その刀剣の思うようになるということかと頭の中で考える
光忠は目の前から離れて、まだ支度があるからと言い広間を出ていった
放心状態のまま壁にもたれかかって、目の前に広がる風景を見ている事しか出来なかった
「主?どうしたんだ」
「何があったんだい?」
「……蜂須賀さん、歌仙さんっ……」
放心状態のまま時間が経ち、広間には蜂須賀さんと歌仙さんが入ってきた
他の刀剣を目にした瞬間、安心して引っ込んだ涙が出てきた
「………この気は燭台切か」
「主、近侍を交代しよう。主は少し燭台切から離れた方がいい。近侍と言えどお互いが依存しすぎるのは駄目だ。僕達は政府から神隠しができなようにされているけど、結界を張ることは許されている。だからね、一度結界を張られたら中々入るのは難しくて助けることが難しいんだ」
「…………ごめんなさい、私が悪いから…ハッキリしないし言うこと聞けないから、だから」
「そんなことは無い。主は頑張った。抵抗しなければ、この部屋に俺達は入れなかった。良かったよ、主が無事で」
蜂須賀さんと歌仙さんは少し2人で話をして、近侍制度を中止にした
歌仙さんが小夜を連れてきて、私の傍に居るように言うと、蜂須賀さんと歌仙さんは少し用があると言って広間を出ていった