第36章 依存
「光忠?ねぇ、どうしたの?」
「佳奈、なんで逃げるの?君はこの部屋から出れないんだよ」
「いや、光忠、いつもの光忠に戻って、おねがい」
「僕は至って普通だよ」
一歩一歩近づいてくる光忠に恐怖心しかなかった
壁に背中が当たり、それでも光忠はこっちへ向かってくる
屈まれて顔を持ち上げられた
「主……僕だけの主…んっ」
触れるだけのキスをされ、口をこじ開けられ舌が入ってきた
だめ
逃げなきゃ
頭で理解するも彼は逃げさせまいと強く強く抱きしめてきた
長いことキスをされ口が離れた
「可愛いね」
妖しく光る目が離せなくてじっと見つめるしかなかった
冷や汗が背中を伝って怖くてたまらない
「なんで、泣いてるの?僕が怖い?」
「っ」
こんなに恐怖を感じたことが無かったからか、いつの間にか泣いていたらしい
「ごめんね。泣かせるつもりはなかったんだ………もうやめるよ」
そう言うと光忠の服の色の黒一色の視界からパッと開けた