第36章 依存
「美味しいもの食べて元気をつけよう。今日の料理は僕が腕を奮って作ったんだ」
広間へ行くと既にご飯が置かれていた
周りを見渡すも、私と光忠しかいなかった
席へ誘導されて座り光忠を見上げて何か言わなきゃと謝罪をした
「…ありがとう。さっきはごめんなさい」
「いいって、それより早くご飯食べよう」
促されてご飯に手をつけた
「主は、なんで僕のことを近侍にするの?」
ご飯を食べていると光忠が不意にそんなことを言った
「………うーん、なんだろ……全部がタイプだからかな?あと声も好きだから?」
「声?」
「うん。あとはね、かっこいいところかな?」
「……なら、僕とずっと2人きりで生きていこうか」
光忠はわたしの目をじっと見据えた
「……光忠?何言ってるの?」
「佳奈、僕は本気だよ。付喪神と言えど僕も神様だ。神隠しはできないけど、ここに結界を張ってあるから誰も今は入ってこれない。だからこのまま2人きりで居られる」
だんだん近づいてきて恐怖から後ずさった