第33章 夜と縁側にて
「佳奈?」
「は、はい!」
突然名前を呼ばれて凄くびっくりした
「……すぐにじゃなくて大丈夫だから。一つ一つやっていこうね」
光忠の一つ一つやっていこうの言葉に心が軽くなった気がした
「…ありがとう」
「よし、もう夜も遅くなるしすごく寒くなってきたからお互い部屋に戻ろうか」
「光忠、明日もよろしくお願いしますね」
「もちろん、任せて。もっと頼ってね」
「うん……」
「?何か困ったことあるの?なんでも言ってくれなきゃわからないよ」
「ううん、ごめんなさい。大丈夫だから」
「溜めこまないようにね、部屋まで送るよ」
光忠はそう言って私の頭を一撫でして、その手が下に降りてきて頬を触って指で唇をなぞると立ち上がって部屋まで送ってくれた
「首飾り、付けてくれたんだね。ありがとう」
「そんな、私こそありがとう」
背の高い光忠を見上げると金色の目が私をしっかりと捉えていて、離そうとせず顔が近づいて光忠の唇がわたしの唇に触れてすぐに離れた
「じゃ、僕もう行くね。暖かくして寝るんだよ。おやすみ」
少し放心状態でいると背を向けて歩いてる光忠の姿が目に入った
な、な、なに今の
めちゃくちゃキュンとしたんだけど
何やばくね
光忠かっこよすぎじゃね?
普通に惚れてまうやろ