第29章 寒いのはしんどいけど嬉しいこともある
「おや?めずらしいね。部屋を訪れに来るなんて」
「なにか良くないことでも起きたのですか?」
「ちょっといろいろあったので見回りにきました。にっかりさんも数珠丸さんもしっかりしてるイメージ強いので案の定何の問題も無さそうで安心しました」
「まぁ確かに僕達が問題児だったら大変だっただろうね」
「私達がまず問題児という想像もつきませんね」
「その通りですね……何はともあれスムーズに見回りが出来るので本来はトラブルが無いのが一番いいんですけどね」
「そうだ、これを持っていくといい。廊下結構寒いだろう?」
にっかりさんがブランケットを取り出してわたしに渡してきた
「え?いいんですか?」
「この前遠征に行った時に買ったんだ。主に似合いそうだなと思ってね」
「私からはこれです」
数珠丸さんはマフラーを渡してきた
え、なにこのサプライズは
ビックリしすぎてもうやだなにこれ涙でそう
「さ、さっそく付けますね」
ブランケットはボタンがついていて羽織れるものだった
ブランケットを羽織り、マフラーを巻いてみた
めちゃくちゃ温かいんだけどこれ
なにこの2人は本当になに
神様かな
いや神様だったわ
「あ、ありがとうございます………」
「そろそろ行った方がいいのではないですか?もう日も暮れて来ています。夕餉に間に合わなくなってしまいますよ」
数珠丸さんにそう言われた
「たしかに………じゃあ、そろそろ行きますね。本当にありがとうございました」
再度お礼を言って部屋を出た