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【東京喰種:re】カンツォニエーネ【夢小説】

第18章 本当の心を見せて



倉元の家にあがるのはたぶん二回目。

俺の家に来ない?と言われて拒否しなかったのは囮捜査中の出来事に後ろめたさを感じていたから。

…あと期待してないと言うと嘘になるかも。

「取り敢えず風呂入る?手当てするし。」
『それが、着替えがさ…。』

下着は撤収したからあるけど、服は持ってくるのを忘れてしまった。

「じゃあ俺のTシャツ持っていくから入ってて。」


お風呂は本当に痛かった。

いつもそうだけど戦闘後のお風呂はすごく入りたいのに痛いから辛い。

切れた肩をお湯で流すと、まだ少し血が流れるから薄く赤いお湯が排水口に流れ込んでいく。

なんとなくそれをずっと眺めていると声がかかった。

「大丈夫?なんかあった?」

『なにもないよ。もう出る。』

変な心配をかけてしまった。

お風呂を出ると倉元の服が置かれている。

『倉元、血が…。』
「どした?」

無神経な倉元がカーテンで仕切ってあるだけの脱衣所に顔を出した。

『ちょ!』
「ごめん!」

すぐさまバスタオルで隠したから大丈夫だけど倉元は顔が真っ赤だ。

「…バスタオル巻いて出てきて。」
『はい?それは…。』
「いいから。」

有無を言わさない声色に仕方なく体にバスタオルを巻きつけて脱衣所から出る。

倉元に誘導されてベッドの上へ。

こいつ頭大丈夫なのか?

「別にタケさんに頼まれてからやってるってわけじゃないから。」

あぁ、最後の頼むはそういうことだったのか。

倉元は包帯でガチガチに肩を固めるように巻く。

「こんなもん?」
『うん、綺麗。ありがとう。』
「じゃあ俺も風呂入ってくるから。」



倉元がお風呂に入って、私も脱衣所に戻り服を着る。

扉一枚隔てたところに倉元がいて、妙に緊張感漂う空気に頭が痛くなりそう。

その辺にあったドライヤーでてきとうに髪を乾かしてベッドに沈み込んだところで倉元が出てきた。

「寝てる?」
『まさか。』

倉元は短パンだけ履いて上半身裸だ。

そこまでがっしりした体格でもないけれど、いつものスーツ姿の時より脱がせた方ががっしりして見える、良い体だ。

倉元はタオルで髪をガシガシと乾かしながら私の隣に座る。

こいつがこんなにも無言なのは珍しい。
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