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【東京喰種:re】カンツォニエーネ【夢小説】

第11章 作戦開始1日目


倉元は上機嫌で歩いていく。

彼はよく喋った。

しかもCCGの面々の話を誰か分からないように名前を変えて普通の職場の人間かのように言葉を変えて話している。

それがまた面白くて思わず笑ってしまう。

上手いなぁこういうの。

倉元の話に引き込まれそうになるけど、やっぱり誰かが私たちを見ていないかが気になって仕方ない。

視線や気配は感じない。

丈さんたちが後ろからついてきてるはずだけど連絡ないし、それに私の耳に届く音は喰種にも届く可能性が高いからそうそうのことじゃ連絡してこないはず。

倉元はたぶん出来るだけゆっくり歩いてる。

それでもなんの兆しもないまま家に着いてしまった。

『あ、鍵…。』
「あいよ、俺出す。」

倉元がポケットから鍵を出して鍵穴に突っ込んだ。

そして右手で鍵を回しながら左手で私の腰を抱き寄せる。

ダメだ倉元のペースについていけない。

『倉元っ…。』

至近距離の倉元の顔がニヤリと笑う。

倉元に抱かれたまま私は家に押し込まれる。

バタンと扉が閉じる音。

二人のため息。

耳に響くノイズ音。

「それらしきヤツはいなかった。」

ありがとう丈さん。

靴を脱いで二人でダイニングテーブルに座り込む。

「俺は…なんか普通の人間になった気分だった。CCG入ってなかったらこんな人生なのかもしれないって、大げさかな。」

入ってなかったら、なんて無限の可能性のあることを自信なげに言われても。

でも確かに今のは可能性の一つだった。

起こるはずのあった未来を倉元は演じきった。

『ごめん、私ひどかった。』
「そんなことないって!ノリノリで来られたらそれはそれで俺が崩れそう。」

才子ちゃん、私思ったより経験なかったみたい。

今のじゃこれからセックスしますって感じ全然ないし。

もっと過激にやらなきゃいけないと考えたらため息が出そうだ。


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