第9章 真央霊術院2
「それでは、これより破道演習を始める!第一班前へ!」
「はい!」
担任の合図と共に、第一班が前へ出る。
ちなみに、第一班には阿近がいる。
「破道演習…始め!」
「はい!」
今日は破道の三十三『蒼火墜』の演習だが、これは私が一番初めに兄に教わった鬼道でもある。今までさんざん練習してきたのだ。一番得意な鬼道と言っても過言ではない。
まあ、もちろん加減はするけど。
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き ヒトの名を冠する者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!破道の三十三『蒼火墜』!!」
的の前に立って生徒達がいっせいに詠唱をし、的に向けて鬼道を放つ。
的に届かず落ちるもの、的をかすってはいるが当たってはいないもの、確実に的に当てているものと生徒の実力差が見える。
阿近は……
流石というか何というか、ちゃんと的の真ん中に当てている。
ただの発明バカかと思いきや、意外に器用で何でもそつなくこなすから凄いと思う。
「続いて第二班前へ!」
続いて、私の班が呼ばれる。
『はい!』
他の生徒と同じ様に返事をし、的の前へ立つ。
「破道演習…始め!」
的の前に立って鬼道を撃つとき、自分の中の力に集中すると、自分の心の中にある泉が波が引いていくように静かになって、心がスーッと落ち着いていく感じがする。それが私は好きだったりする。
『君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き ヒトの名を冠する者よ 真理と節制 罪知らぬ夢の壁に僅かに爪を立てよ!破道の三十三『蒼火墜』!!』
私の掌から撃ち出された青い火球は、迷いなく的まで飛んで行き、そのまま綺麗に的の中心に当たって爆ぜた。