第9章 真央霊術院2
「次、第三班前へ!」
すぐに次の掛け声がかかり、的の前にいた私たちは揃って後に下がった。
元の位置に戻った所で、ふぅと一息つく。
その後は、どの班の演習も恙無く終わり五番隊長たちは次のクラスの視察のために演習場を後にした。
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『んーっ!終わったぁ!』
「大して疲れるようなことしてないだろ」
休み時間、霊術院の中庭のいつもの場所で私と阿近はのんびりしていた。
『分かってないな〜、加減するのって結構大変なの!』
「霊圧制御装置つけてんのにか?」
『そうだよ。それこそ、霊圧制御装置外したら学校ごと吹っ飛ばしちゃうもん』
「……………」
今の発言で阿近の顔が一気に青ざめたのは見なかったことにしておこう。
そんな会話をしていると、ふと校舎の周りが騒がしいことに気付く。
『何かあったのかな?』
「護廷十三隊の隊長さんが来てんだろ?…誰かが直々に護廷隊に引き抜かれたとか!」
『………まっさかぁ!』
はははははと二人で乾いた笑いを交わす。
「見に行ってみようぜ…!」
『うん』