第2章 はじまり
『あなた以外の人は?!』
「み、みんな、食べられちゃったの…お父さんとお母さんも……ヒック」
少女はしゃくりあげながらも必死に起こったことを伝えようとしてくる
そんな少女の様子に私の中で沸沸と怒りが湧いてきた
私は泣き続ける少女をぎゅっと抱きしめた
「……?!」
『ごめん…ごめんね……
気づいてあげられなくて…もう、もう大丈夫だから』
「う…うわあああああん」
大粒の涙を流しながら声を抑えることなく泣く少女を強く強く抱きしめた
『落ち着いた?』
「…うん」
『よく聞いて…お姉ちゃんこれからそのお化けを倒しに行かなきゃいけないの』
「倒しに…?お姉ちゃんが?」
『そう…だから、早く安全な所に避難してね
すぐに死神さんが来て守ってくれるから』
「…分かった!」
少女は力強く頷く
『よしっ♪じゃあ、お姉ちゃん行くね!』
そう言って少女に背を向ける
「あっ!…お姉ちゃんっ!!」
『……?』
「ありがとう!!!」
振り向いた先には涙でぐちゃぐちゃの笑顔で
手を振る少女の姿があった