第7章 更木の剣八
…一瞬剣を交えただけでも分かった。
こいつ…やっぱり強い!
代々最強の死神に与えられるはずの称号である剣八を名乗るだけの実力はあるだろう。
私は相手に押し負けてしまわないように霊圧を更に高める。
「ほぉ…霊圧だけはたいしたもんじゃねぇか。だが、それだけで俺と互角に戦えると思うなよ!」
荒々しい霊圧を纏う更木の刀を眼前で受け止める。
「…くっ!……(押し負ける!!)」
相手の剣の勢いを受け止めきれず、私の勢い良く身体は吹き飛ばされた。
「まだまだこんなもんじゃないぜ!!」
地面に膝をつく私に更に猛攻を仕掛けてくる更木。
「……っ!!」
私は後ずさりながら勢いを殺しつつなんとか剣を受け止めるので精一杯で、反撃する余裕はない。
体制を整えるために一旦隙を見て距離を取ってみるが、さて、どうしたもんか。
小手先の小細工が通用する相手ではない。
姉さんとの組手以外の実践で使ったことはないけど…あれだけ練習したんだ、可能性に賭けてみる価値はある!
作戦を決めると、私は更木の方に向かって真っ直ぐに刀を構えた。
まるで、斬りかかってこいと言わんばかりに。
「あくまで真っ向勝負がお望みってことか…いいぜ!簡単に死んでくれるなよ!!」
更木は予想通り真っ直ぐに私に向かってくる。
チャンスは一瞬。
タイミングが少しでもズレたら失敗だ。
大丈夫…私は、あの姉さんの妹なんだから!!