第7章 更木の剣八
『えぇ…お相手願えませんか?』
暫くの沈黙の後、更木さんはニヤッと笑って刀に手をかけた。
「くくっ…いいぜぇ!てめぇとも戦ってみてぇと思ってたところだ!!」
『…え、わわっ!違います!!相手をして欲しいのは私じゃなくて、妹なんです!!』
私が慌てて叫ぶと、今にも斬りかからん勢いだった更木さんは目をパチくりさせて、気まずそうに私の後ろから姿を見せた蘭に視線を移した。
「…チッ、そうならそうと早くいえよ。ったく」
『すみません…』
「………強いのか、そいつ」
更木さんが私の横で身を固くしている蘭を見る。
『戦ってみれば分かりますよ』
「ハッ!いいぜ、相手してやる!かかってこいよ!!」
そう言うと、更木さんは再び刀を構えた。
『…じゃ、頑張ってね!』
「……うん」
私が2人の間から退くと、蘭も刀を構えた。
2人が霊圧を高めていく中、先に動いたのは蘭だった。
ガキィィン!!!
振り下ろした刀は相手の刀とぶつかり激しく音をたてる。
純粋な力での勝負に持ち込まれると蘭に勝ち目はない。
それが分かっている蘭は一旦、飛び退って距離をとった。
霊圧だけで言えば更木さんの方が少し上…
さて、どう戦うかな?