第2章 はじまり
—「いいか、華。
霊力を使って鍛錬をする時は必ず結界を
張るんだぞ」
ー「どうして?」
ー「虚は少しでも霊力のある魂魄を襲う。
だから、お前に霊力があると分かったら襲わ
れて 周りの人たちも巻き込まれるかもしれ
ないそれは嫌だろ?」
ー「嫌だ!分かった、ちゃんと結界張る」
ー「いい子だ」
ー「……あ、でも今までは?」
ー「今までは一緒の時は兄ちゃんが結界を
張ってたけど、兄ちゃんこれからしばらく
任務で現世に行かなくちゃならない。
だから、何かあってもすぐには飛んでこれ
ないんだ。華、お前は強い。
父さんと母さんを頼んだぞ!」
ー「うんっ!!」
そんな会話をしたのが二週間ほど前
今までは兄がいる時しか霊力を使った鍛錬はさせてもらえなかったし、それ以外の時は書物を読んで詠唱を覚えたり、体術の練習しかしていなかった
書物を読むのは好きだし不満があったわけではないけど、毎日鍛錬ができて正直すごく嬉しい
実を言うとこの間読んだ書物で真央霊術院は実力さえあれば年齢は関係ないと知った
まあ、ここでは年齢という概念自体があまり意味をなさないのだが…
今の私は何よりも早く一人前になって兄の隣に立ちたくて仕方がない
そんなことを頭の隅で考えながら鬼道の練習続けること数時間、空がだんだんと赤く染まっていく
「ふぅ〜、もうこんな時間か」
鬼道の練習を数時間もぶっ続けでやっても平気な顔で立っていられることが、普通の死神より霊力がずば抜けて高いことになるということに華が気づくのはもう少しあとの話