第6章 訃報

素直に謝ると、朱雀は暫くきょとんとしてから頬を掻きながら決まり悪そうにはにかんだ。



《いや……まあ…あれだ、元気になったならよかった…》



その様子を見て青龍がふぅと溜め息をつく。



《まったく…心配してたなら心配してたとなぜ言えないんです？素直じゃありませんね》



《なっ…う、うるせー！！》



顔を真っ赤にさせて叫ぶ朱雀が可愛いなと思っていたら、突然肩にずっしりと重さが加わる。



《カッカッカッ！朱雀と青龍のやつは仲が良くていいのぉ！華もそう思うじゃろ？！》



重さの正体は肩を組んできた玄武で、豪快に笑いながら朱雀と青龍を見つめている。



『あれは…仲が良いの、かな〜？』



《2人ともお主を想う故じゃ！》



そう言って、わしゃわしゃと私の頭を撫でてくる玄武の瞳はとても穏やかで優しかった。



『…うん』



見た目こそ厳つくて荒っぽいイメージの玄武だが、実は一番大人で一番優しかったりする。



人は見かけによらないってことだ。



《そうそう、白虎も心配しとったんじゃぞ！》



ふと視線をずらせば、玄武の背中からちらちらと様子を伺っている白虎が見える。



『くすっ…そんなとこにいないでこっちおいでよ』



《ふぇっ！？……うぅ…はいぃ》



トコトコとこちらに近づいて来た白虎の頭を優しく撫でると、白虎は気持ち良さそうに目を細めた。



『…心配してくれてありがとう』



私が白虎にもお礼を述べると、



《…主様が悲しいと、私も悲しいです》



そう言って、私にキュッと抱きついてきた。



白虎の言葉と行動から彼女の優しさが伝わってくるような気がして、心がじんわりと暖かくなった。