第4章 新たなる
ーーー力を求めよ
…あのときの声?
ーーー力を求めよ
私は……欲しいッ!倒す力が…護る力が!!
ーーー我が名は
『…麒麟』
《やぁ、やっと名前を呼んでくれたね》
『………え?』
華が立っているのはさっきまで戦っていた場所ではなく、静かな湖畔
『ここ…どこ?私死んだの?』
《まさか、死んでないよ》
『あなたは誰?』
《そうだ、自己紹介がまだだったね。僕の名前は麒麟。君の斬魄刀だよ》
『………………………え、待って…いろいろツッコミどころが満載なんだけど、まず私、斬魄刀どころか浅打も持ったこと無いんだけど』
麒麟とか名乗った目の前の青年
すらっとした体型に整った顔、
光を受けて煌めく金髪は所々に朱や橙か混じっていて、瞳は髪と同じ金色
俗に言うイケメンの部類に入るであろう好青年
《まだ、気づかないの?君がこの地に来てからずっと持ってた刀、あれ、浅打じゃない》
『え、えぇぇぇぇ!!!!!』
の爆弾発言
《ほんとはもうちょっと焦らすつもりだったんだけど、君のピンチだったから思わず出てきちゃった》
『私のピンチって………あっ!こんなこしてる場合じゃないんだった!やられちゃうよ!』
《大丈夫、僕の力でちょっと時間をいじって止めてあるから》
『時間を止めてるって…ほんとに大丈夫なの?』
《大丈夫だって、って言っても先に倒しちゃった方がいいか。じゃあ、これから君の意識を元に戻して時間を動かすから戻ったらこう唱えて》
『根絶やせ『朱雀』!!!』
解号を唱えると、何の変哲もなかった浅打は、黒い炎を纏った双刀へと形を変えた
«なに、斬魄刀だと!?»
既に目前へと迫っていた虚が
斬魄刀の解放を見て焦るがもう遅い
解放の勢いに乗って華は
虚を両断した
«く…そ………»
真っ二つに切られた虚は呻き声を上げながら霊子となって消えていった
『ハァ…ハァ……やった…やったぁ!!!』