第3章 2人っきりの生活
「ぷはぁ〜もう入らな〜い」
『ほんとに!お腹いっぱい!』
「いっぱい釣れて良かったね!」
『ほんとにね〜』
私たちが今いるのは更木から程近いところにある河原
あの後、そろそろほんとに空腹で倒れそうだった私たちは食事処を探そうと思ったのだが、そもそも流魂街に住むほとんどの人々は霊力がないため、お腹が空くことはない
故に、流魂街には食事処はほとんどと言っていいほどないのだ
困り果てた私たちは結局、川で魚を釣って食べることにした
「何してるの?」
『いっぱい釣りすぎたから、保存食にしてるの!こうしておけば、またお腹が空いたときに食べられるでしょ♪』
先ほどの男たちからちゃっかり頂いたナイフで魚を開く私を物珍しげに見つめる蘭
『これで後は干しとくだけっと』
昔、母親から教わったのを記憶の中から引っ張り出して取り敢えずの食料を確保する
更木に来るまでの道すがらに作った竹の水筒に川の水を汲めば、しばらく食事の心配をしなくても大丈夫だろう
『お腹もいっぱいになったし、次は何する?』
「修行!!!!!!!」
『即答っ!!?ていうか、寝床探しとか他にもしなきゃいけないことがあるんじゃ……』
「だって!早く強くなりたいんだもん!!」
新しいことを始める期待にキラキラと目を輝かせてこちらを見つめる蘭
『うぅ〜…分かった!じゃあ修行しようっ』
「やったー!!」
結局私が折れることになった
しょうがない!だって可愛いんだもんっ!!
後々の姉バカの片鱗をもう見せ始める華であった