第3章 2人っきりの生活
『さて!戦いの練習をする前にお勉強をしなくちゃね!!』
「えぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
『えぇ〜じゃない!!死神になるには覚えなきゃいけないことがたっくさ〜んあるんだからね!基本の戦闘方法の白・拳・走・鬼はもちろんだけど、他にも何十ってある詠唱も覚えなきゃだしっ…えっと…えっと…とにかくたくさんっ!!』
「おぉ……」
あまりの勢いに言葉が出ない蘭
『ハァ…ハァ……』
「なんか…ごめんなさい……」
『ゴ、ゴホンッ…わかればよろしい』
「それで、私は何をすればいいの?」
『フフーン♪じ・つ・は!いい物があるのでーす!』
「なになに?!!」
『ジャジャーン!これは私のお兄ちゃんが真央霊術院生時代に使ってた教科書っ!!』
「真央霊術院って……えぇっ!!お姉ちゃんのお兄さんって死神さんなの?!」
『あ、そっか…蘭には言ってなかったっけ…そ!私のお兄ちゃん死神やってるの!今は、げんせにんむっていうのでいないんだけどね〜』
「じゃあ…心配してるだろうね……」
『うん…それだけは気がかりかな…』
「心配だね……………」
パンッ!!
『はいっ!暗い話はこれで終わり!!』
華が手を叩く小気味よい音がその場の雰囲気を一瞬で変える
『蘭のしばらくの課題はこの教科書で基礎中の基礎を勉強すること!』
「その教科書で基礎を勉強するのにどれくらいかかるの?」
『うーん…その人の実力と努力にもよるけど、だいたい3年ってとこかな』
「さっ!さ、さ、3年!!!?」
『まあこれはあくまで普通の人ならって話!お兄ちゃんの話だと真央霊術院には飛び級って制度があるらしいから、才能と努力次第ではもっと早く習得できないこともないってこと!!』
「うん…わかった…わかったよ!!私頑張ってみる!」
『よしっ!いい返事!私は私で修行するから、分からないこととかあったらじゃんじゃん聞いてね!これでも現役死神から直々に教わってますから!』
「わかった!」
『ここが私たちの第一歩!死神になることが最終目標じゃない…死神になってから何を成すかが大切だから!』
こうして、華と蘭の修行の日々が始まった