第39章 歯磨き(AN)
相葉さんは、
先に自分の服を整えると
脱ぎ捨てられた俺のパンツを取って
脱力してベッドに横たわる俺に
履かせてくれた。
もう、ヤられ過ぎて疲れ過ぎて
動けない俺を
そっと動かして
ふたりで並んでベッドに横たわった。
「にの、こっち向いて」
相葉さんが囁く。
手放しそうな意識の中
なんとか体を相葉さんの方に向けると
相葉さんが
キスをしてきた。
優しくて
柔らかくて
溶けそうなくらい
気持ちいいキス。
微かに口を開けると、
すぐに舌が入って
俺の舌を絡め取られる。
そのまま、俺は意識を手放した…。
翌朝
凄まじいほどの頭痛と腰痛で
目が覚めた。
…あー、さいあく。
ぼーっとする頭で
昨日のことを思い出す。
……あー、さいあく。
「…にの?起きた……?」
遠慮がちな声と共に
寝室のドアが僅かに開いた。
「…ん、はよ」
「朝ごはん、食べれる…?」
「…いらない」
「わかった…」
そう言って、
ドアを閉めようとするから
痛む腰を摩りながら
呼び止めた。
「…ねぇ、相葉さん」
また、顔だけドアから覗かせてこっちを伺う。
昨日の
Sの塊みたいな、相葉さんは
どこいったんだよ、(笑)
「怒ってないよ、別に。」
さっきよりも
少しだけ
ドアが開いて
相葉さんが寝室に入って来た。
「ただね、
すーげぇ、腰痛いんだわ」
「…だよね、ごめん」
「だからさ、
ちょっと、こっち来てよ」
ドアのところに立っていた相葉さんを
ベッドの上に座らせる。
相葉さんの腕を引っ張って
鼻がくっつきそうなほど近くに寄って
「ね、キスしてよ」
そしたら治るかも、
と耳元で囁くと
相葉さんは俺の肩を掴んで
激しくキスをしてきた。
ぺろ、と俺の下唇を舐め
唇が離れる。
銀の糸が
お互いの唇を繋ぐ。
「おはよ、
…まさき。」
「おはよう、かずなり」
んふふ、と笑い合って
また、触れるだけのキスをした。
どんなに体を重ねても
キスをしても
言葉で想いを伝え合っても
伝えきれないくらい、
好き。
ね?