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嵐内妄想②【気象系BL小説】

第14章 両想い(SO) ⅱ







「翔くん、」



日付がかわるまで、
あと10分を切った時、ふいに智くんが喋り始めた。




「俺ね、
初めて翔くんのこと見た時、
わぁ、めっちゃイケメンだなぁ〜って思ったの(笑)
モテそうだなぁって。
その時は、そこで翔くんのこと、
すぐ忘れちゃったんだけどね。
翔くん、俺のバイト先に
しょっちゅう来るようになって
最初は、常連さんになってくれたんだって
思ってたんだけど
すごい、視線を感じるなって思ったら
翔くんが、すごい、俺のこと見てて(笑)
でも別に、嫌だなとは思わなかった。
ちょっと、変な人、とは思ったけど(笑)
それから、お店で話すようになって、
今年の夏に、偶然会って、
友達になって…。」




そこで一旦、智くんは言葉を切って
目の前のグラスに入っていたビールを一気に煽って
こう言ったんだ。





「俺ね、翔くんのこと、好きになったの。
好きになったっていうか、もう、出会った時から
好きだったのかもしれない。ね、翔くんも
俺のこと、好きでしょ?」







いつも、あまり喋らない智くんが、
いきなり話し始めたことも、驚きだし
その内容にも驚いて、
すぐには反応出来なかった。


既に真っ白だった頭が、さらに真っ白になって
それから徐々に、状況を理解し始めた。


…今、好き、って、言われた?




「…え…
それって、…それは、あの、」




「………こういう対象としての、好き、ってこと、だよ?」

そう言いながら、智くんは
隣に座っているオレの太股に手をのせて、
オレの唇に、
智くんのそれを重ねた。


ほんの一瞬。
だけど、それは完全なる、キス、だった。


時間はとっくに0時をまわっていた。



「ねぇ、翔くん」




智くんがオレの太股に手をおいたまま
オレの名前を呼んだ。



「な…に…」


「翔くんは、俺のこと好きじゃない?」



「や、えっと、」


太股から手が離れた。


「俺の勘違いだった?」


「、ち、ちがう!…………
オレも、……オレも…智くんのこと好、き、…」





「んふふ、良かった。」

智くんは、そう言うと
オレの膝の上に跨って抱きついてきた。


オレの胸に顔を埋めて



「ずっとね、こうしたかった」



「うん…」







こうして、オレたちはコイビトになった。
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