第14章 両想い(SO) ⅱ
その日は、クリスマスイブだった。
お互いに、彼女はいなかったから
クリスマス、男だけで楽しもう!ってことで
智くんの家で、酒を飲みながら
まったり過ごしてたんだ。
普段から、ふたりでいるときは
無言でいることが、多くて。
でも、
その時間は決して気まずいものじゃなくて
すごく、居心地のいい空間だった。
オレはこの時、
智くんに告白しようと決めていた。
クリスマスに会えるって決まった時に、
このタイミングを、逃したら
これから先、いつまでも言えないかもしれないって
思ったんだ。
半年間、友達として一緒に過ごしてきて
友達のままのほうが
いいんじゃないかって
何度も考えたんだけど
やっぱり、友達のままじゃやだって。
オレはこの人にとって、
もっと近い存在になりたいって思った。
だから、友達としての関係が
崩れるんじゃないかっていう、リスクを背負ってでも
告白しよう、って決めた。
だけど、いざ告白するとなると、
タイミングが難しくて。
よくよく考えると
普段智くんと恋愛の話をすることが滅多にない上に
かれこれ30分以上無言が続いてるこの状況で
どう切り出せばいいのか、完全にわからなくなっていた。
折角クリスマスを迎える瞬間に
智くんと一緒にいるんだから
日付が変わった瞬間に、
告白しようと考えていた、
けど、
日付が変わるまで1時間が過ぎたあたりからは
焦る一方だった。
突然、そわそわし始めたオレを
不審に思った智くんが
オレに声をかけた。
「翔くん、どうしたの?トイレ?」
「あ、いや、なんでもない」
「そう…」
話を続けなきゃ!
そう思えば思うほど頭が真っ白になって
時間だけが、どんどん経過していった。