第10章 日常(AN)
お風呂から出て、
ハーフパンツとTシャツを着る。
キッチンで冷蔵庫からビールを出して
大野さんが作ってくれたグラスを持って
ソファに座る。
グラスにビールを注いで
飲んだ。
うまい。
「ふぅ〜」
テレビをつけると
日付を超えて時間は0時17分。
相葉さん、いつ帰ってくるかな
明日…というか、今日は
仕事が午後からだから
いいかと思って
2本目の缶ビールをあけた。
時間は0時36分。
相葉さん、まだかな。
疲れていたのか
アルコールのまわりが早くて。
眠くなって
ソファでうとうとしていたら
ガチャガチャって
鍵を開ける音がして
考えるよりも先に
体が動いてた。
「あいばさん!!!!」
まだ靴も抜いでない状態の相葉さんに
抱きつく。
なんか、アルコールも入ってて
さっき相葉さんのこと考えてたから
相葉さんがすごく恋しくて
いつもならこんなこと恥ずかしくてやらないけど
勢いで抱きついてしまった。
でも、すぐ冷静になった。
…恥ずかしい。
思わず、相葉さんを突き放すようにしてしまった。
「もう…(笑)
どうしたの?にの。
ただいま。」
いつもの笑顔で
頭を撫でられる。
「お、おかえり」
相葉さんが、俺の横を通って
リビングに向かおうとするから
思わず、
手を握ってしまった。
離れたくなくて。
「なに、なんかあった?」
「…べつに。」
あーもう
行動と言動がぐちゃぐちゃ。
「ちょっと離してもいい?
手、洗うから」
そう言って離された手。
でも、相葉さんとくっついていたくて
とりあえず、服の裾を掴んでみる。
「はい、」
手を洗い終えた相葉さんが、
当たり前のように、手を差し出す。
普段は、家の中で手なんか繋がないのに。
俺のわがままに付き合ってくれる相葉さんは
ほんと優しい。
差し出された手を握って
2人でリビングに入り
ソファに座る。
「先に寝てればよかったのに。
寂しかった?」