第10章 日常(AN)
仕事を終えて、帰宅する。
家の前まで車で送ってもらって
まっすぐ家に帰る。
相葉さん
今日は、ロケで遅くなるって言ってたから
多分まだ家には誰もいない。
エレベーターに乗って
玄関まで行く。
鍵を開けて、ドアを開ける。
やっぱり、
誰もいない。
わかってはいたけど、
ちょっと、寂しい。
「ただいま」
相葉さんと一緒に住むようになってから
習慣になった挨拶。
相手がいなくても、自然と言ってしまうようになった。
リビングの電気をつける。
…あ、洗濯物片付けなきゃ。
今日は、夕飯いらないって言ってたから
ご飯の準備はしない。
とりあえず、お風呂入るか。
スマホのバイブが鳴った。
相葉さんからのLINE。
『にのちゃん、あと1時間くらいで帰れると思う
先に寝てていいからね』
今は23時26分、
日付は跨いじゃうのか。
お疲れ様、相葉さん。
『わかった』
起きて待ってるよ
とか
気をつけて帰ってきてね
とか
言いたいことはいっぱいあるけど
恥ずかしくて、そんなことLINEじゃ言えない。
久々に湯船にお湯を溜めて浸かる。
「っあぁ〜」
リーダーに、おじさん、とか突っ込めないくらい
おっさんだな自分も(笑)
でも俺がおっさんなら、リーダーはおじいちゃんだ。
お湯に浸かりながら
なんでもないようなことを考える。
最近は専ら
"何故相葉さんは、あんなにかっこいいのか"
っていうのを考えてる。
いや、だってなんかさ
今、リーダーとか俺も
おじさんだって言ったけど
相葉さん、すごい、かっこよくなったよね
もともと、すごいかっこいいんだけどね?
髪型かなぁ…
かっこいいなぁ…
相葉さんの匂いも好き。
香水の匂い。
かっこいいんだよね。もう。全てが。
見惚れてる。いつも。
…って、なにこんな恥ずかしいこと考えてんの。
相葉さんに会ったら緊張しちゃうよ。
もう、出よ。
相葉さん、帰ってきちゃうし。