第45章 始まり(AN)

夕飯を食べ終えて

晩酌タイム。



つまみは
相葉さんが作ってくれた

なんか…

長芋？を焼いて醤油で味付けしたヤツと



漬物とか。








突然、

隣に座っていた相葉さんが
俺の肩に腕をまわしてきた。


「…なんだよ」




「別に〜
嫌じゃないでしょ」



嫌じゃない
…むしろ居心地いいっていうか

って、何言ってんだ俺。




















程よく、アルコールがまわってきて
気分がふわふわしてきた。




「ね、あいばしってさぁ
なんで女いないの？」



やっぱり気になって
酒の勢いで聞いてみた。


なんとなく、今まで
なんとなく、聞けずに来たから。




「ん〜？……にのだっていないじゃん」


「俺はもう、べつに
いらねぇもん。職場も男ばっかだし…
まず、出会いが無い」


「そうなんだ…


…好きな人がいるんだよね、俺」





えー、意外。そうだったんだ。




「へぇ〜！
ぜんぜん知らなかったわ。
コクりゃいーじゃん。
あいばさん、かっこいいんだからイケるよ」



「ん〜〜。

たぶんね、相手も俺のこと好きだと思うんだよね。」


「えっ、なにそれ
両思いじゃん！尚更なんで告白しないのよ」





「…なんでだろうね」



そう言って、相葉さんは
俺の肩にまわしていた腕を外し、

立ち上がって
台所に行くと


冷蔵庫から水を取り出し
一気に飲んだ。



「なに、もう寝るの？」




時間を見ると、
もうすぐ日付が変わろうとしていた。

でも、俺も相葉さんも明日休みなのに。

もう少し飲みたい…

けど…



「ねぇ、にのってさ」


まだ台所にいる相葉さんが
突然声をかけてきた。



「にのも、
好きな人、いるでしょ？」