第1章 本編
気付くと名無しはマスルールに抱きしめられていた。
彼の筋肉質で大きな胸にすっぽりと収まって、人肌のあたたかさを感じる。
名無しは最初驚き、体をこわばらせたものの
抱きしめられているうちに、身を任せてもたれかかった。
ぴったりとくっつけば、マスルールの心臓の鼓動が聞こえる。
彼は耳に顔を寄せ、もう一度、好きですと耳元で囁いた。
「マスルール、酔ってるの?」
「酒のせいにしたくありません。俺は本気っス」
そう言うと、首筋に舌を這わせ、わざと音を立てるようにキスを繰り返す。
「や…ま…マスルールっ」
小さく喘ぐと、さらに強く首筋を吸われた。
「その表情、ずるいですよ。
さっき、シンさんが羨ましかったです」
首筋を舌が這う度に快感が押し寄せ、息が荒くなってしまう。
「駄目、です、マスルール。
そんなに吸われたら、キスマーク…ついちゃう、っ、あっ」
「俺も男ですから、もう後戻りはできませんよ」
喘ぐ声を優しく唇で塞がれた。
何度も唇を重ね、お互いの舌が絡み合って、もう何も考えられなくなる。
「ここから先は、シンさんも見たことのない名無しさん、っスね」
そう言うが早いか、柔らかなベッドに押し倒される。
背中に寝具の柔らかさを感じ、上を見上げるとマスルールと瞳が合った。
「名無しさん、今日の服すごく似合ってました。
他の男に見せたくないぐらいに。
なんで、シンさんと一緒に居るのを見かけた時に正直嫉妬しました。
…脱がせるのが俺で良かったっス。
安心してください、すぐ気持ち良くしますから。」
マスルールが1つ言葉を紡ぐごとに、少しづつ布地が解かれていく。
「恥ずかしい、よ」
思わず脱がせていく手を制止しようとするが、解くスピードの方が早く、両胸が露わになった。
「そんなに、みないで」
すると、体を起こされてマスルールに後ろから抱っこされる形になった。
背中にマスルールの素肌の熱さを感じ、お尻の方にはもっと固いものが当たってドキドキする。
後ろから抱きしめられながら、両胸を刺激されて思わず淫らな声が出た。