第6章 だから俺だけをずっと (R18:及川徹)
「……ちょっと、コンビニ、に」
そう答える私の声が掠れてしまうのは、お酒のせいなのか、この震える胸の内のせいなのか。
それは定かではないのだけれど。
「だめ、……行っちゃやだ」
「大丈夫だよ、お店すぐ近……っん」
強引にすくい取られる顎。
なにも言わせまいと降るキス。
紡ぐはずだった言葉の続きは、熱を帯びた彼の口内へと絡めとられていった。お酒の味。ちょっとだけ苦い。
「……っは、……ん、ぅ」
身体は後ろから抱かれたまま、顔だけを斜め上に向けてキスを受けとめる。
ピンと張った私の首筋に、彼が触れた。
つ、指でなぞられる感覚。
くすぐったさを覚えて身をよじると、これ幸いとばかりに徹くんが私の前後を反転させる。
今度は正面から向き合うかたちで、彼の腕のなかに閉じ込められた。
「ん、徹、くん……苦し、」
足りなくなった酸素を補おうとキスを遠ざけるが、彼がそれを許してくれるはずもなく。
逃げれば追われて。
背ければ正される。
彼のなめらかな舌に幾度と舐られた私のそれは、ついに、抵抗をやめて自らを差しだした。