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(R18) 行かないで青春 (HQ)

第20章 最愛(Moulin Rouge完結篇)




 last chapter
   【epilogue】



 絶望の中で、花を見た。

 それは色とりどりの。
 とてもとても、美しい花だった。

 ある人は気高く、ある人は凛として。
 夜に咲き、夜を誇る、常闇の花たち。
 
 この、あまりに広い世界の、東の片隅の、どうしようもなく荒んだあの町で、俺たちは出会って。

 意味もなく同じ場所に居て、意味もなく他愛ない日々を過ごして、意味もなく傷付けあった。

 だけど、今は──



「京治さん、準備できた?」

「……ああ、うん、今行く」



 彼らが繋いでくれた希望の空。彼らが守ってくれたひと。彼らの想いに救われて、今がある。

 あの日、あの夜から、一年。
 辿りついた最果ての地で誓う永遠。彼らはもう、到着しているのだろうか。


「なんだかドキドキするね」

「そう?」

「うん、皆、もう来てるかなあ」


 繋いだ小さな手は純白。
 無邪気に笑んでいる花。

 何よりも尊い、愛の証。

 その全身を白に包まれた彼女は、目が眩んでしまうくらい美しくて。


「……綺麗だよ、カオリ」


 俺がそう告げると、少しだけ、可愛らしい頬に桃色が咲いた。





 辿りついた最果ての地。

 街外れにある古びた教会。
 そこで待つ、彼らの元へ。


「じゃあ、行こうか」

「走っちゃう?」

「お前が転ぶから駄目」


 手と手を取り合って歩む道。互いに笑みを溢して歩む道。カオリと二人で歩む道。これからもずっと、こうして。








 ──共に、幸せを。



最愛【了】
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