第1章 キミは宇宙の音がする (R18:灰羽リエーフ)
「リエーフ! 声が大きい!」
唇に人差し指を立ててリエーフを諭したが、しかし当の本人は素知らぬ顔。悪びれた様子ひとつ見せずに、純粋な熱視線を投げかけてくる。
「絢香さん!」
パ、と明るくなる彼の表情。
「やっと会えた!」
ぐう、かわいい。
などと思ってしまうあたり、私も大概毒されているらしい。
さて、どうしたものか。
どうにかして諦めてもらわねばと思案する私の心中など知る由もなく、彼は、リエーフは、その笑顔を絶やすことなく手を振り続けるのであった。