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(R18) 行かないで青春 (HQ)

第20章 最愛(Moulin Rouge完結篇)




「ゲームオーバーだね、佐久早」
 彼女に扮していた彼、孤爪が言う。

「研磨ちゃんてば名演技☆」
 助手席の男、及川がウインクをして。

「こんなに走ったの久々だわ」
 運転席の男、松川が溜息をついた。

「鬼ごっこは楽しいデスねえ」
 ボディガード役の天童は楽しげだ。



 孤爪率いる第二班にまんまと騙された佐久早は、悔しさと怒りを舌打ちに乗せて吐き出した。

 その刹那の出来事だ。

 カッ、と一閃。
 強力な光が佐久早の視界を奪う。

 あまりの眩さに目を閉じた彼が、次に見た景色。それは空港中を染める赤。滑走路を埋めつくす警察車両の海。

 光は犯人捜索時に使用されるサーチライトで、赤はパトカーに搭載された赤色灯だった。



「銃刀法違反の現行犯で逮捕だ。ザマァねえな、井闥山組の幹部さんよ」



 研磨たちの反対側。
 搭乗ゲートのほうから姿を現したのは他でもない。

 警視庁マル暴第五課課長、黒尾鉄朗だ。複数の制服警官を従えている。


「……っ、クソお巡り」


 部下共々お縄につくことと相成った佐久早。彼は憎たらしげにそう漏らし、黒尾の口からお約束の【あれ】を聞く羽目になるのであった。


「お巡り “ さん ” だろがクソガキ!」


 もちろん、拳骨付きで。

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