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(R18) 行かないで青春 (HQ)

第20章 最愛(Moulin Rouge完結篇)




「でも岩ちゃん、ひとつだけ確認」

「んあ? 何だよ」

「岩ちゃんは本当にそれでいいの?」



 はたと、全員が動きを止めた。

 聞くだけ野暮なのかもしれないけど、でも、やっぱり大事なことだから。俺はちゃんと彼の口から聞いておきたい。

 さっきよりも重たい沈黙。
 一秒、二秒、俯いたのち。

 ス、と顔をあげて岩ちゃんは言った。


「誓ったんだよ、俺は、あの日。
──……カオリを幸せにするって」

「たとえその愛が岩ちゃんに向いていなくても? それでも岩ちゃんはあの子を助ける、本当にそれでいいんだね?」

「ああ、カオリが笑ってさえいりゃあ、俺はそれでいい」

「そっか、……うん、分かった」


 絶望の先には何がある?

 やっと分かったんだ。
 探し続けていた答え。


 それはね、ハッピーエンド。


 ねえカオリちゃん。
 お前はいいね、皆から愛されてて。

 反吐が出るほど羨ましいよ。

 でも、覚悟しな。
 これからはこの及川さんがそこに加わってあげるんだから。もう逃げられない。絶対に逃がさないよ。

 お前が歩むべき道はただひとつ。
 ハッピーエンドへの、一本道。

 そう決まってるんだ。

 だって、俺たちが味方なんだから。


「よーし! じゃあもっかい乾杯!」

「及川の奢りだよなもちろん」
「ゴチんなりまーす」
「出前寿司頼もうぜ、寿司」

「んんん! でも許す!奢っちゃう!」





 さあ、再開しようか。

 太陽の国へと続く、物語を──







【(we can)trust】fin.
超絶信頼関係、復活☆

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