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(R18) 行かないで青春 (HQ)

第20章 最愛(Moulin Rouge完結篇)



 王者白鳥沢の没落。
 引き裂かれた恋のお話。

 会いにきてくれた彼。

 過去にこの町で起こったこと。これから起ころうとしてること。岩ちゃんがここを訪れてくれた本当の意味。

 分かるよ。ちゃんと見えてる。
 助けるんだよね、彼女を、そして彼を。カオリちゃんとケージを絶望の淵から救い出すんでしょう?

 答えなんて、決まってるじゃん。



「俺も協力する、したい、させて」



 ──それで、俺は何をすればいい?

 まっすぐにそう問うた俺を。
 傷だらけの、俺の背中を。

 マッキーが。
 松っつんが。
 そして、岩ちゃんが。

 代わる代わるに叩いて、どついて、おまけにのしかかってきて、床に倒れこんでもみくちゃになる。


「偉いぞ及川! よく言った!」

「俺ちょっと感動したわ」

「あれだな、元クソ川だな」

「岩ちゃんのそれは何なの? 褒めてるの?貶してるの? ていうか重いし苦しいし! 三人とも総重量いくつあると思、……っん、ぐう、ギブギブギブ!」


 馬鹿みたいに騒いで。
 馬鹿みたいに笑って。

 まるで、あの頃みたいに。

 少しずつ色んなことが変わったね。大人になった俺たち。どんどん新しくなっていく町の風景。

 こうして、変わっていくのかな。
 移ろって、終わっていくのかもしれないね。

 でも、どんなに時間が経っても、この気持ちだけは変わらないよ。



 俺、──皆のことが大好き。

 これからもずっと一緒にいたい。
 ずっとずっと、仲間でいたい。



 ちょっと恥ずかしいけどね。

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