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(R18) 行かないで青春 (HQ)

第20章 最愛(Moulin Rouge完結篇)



 絶望の先には何がある?

 希望か、未来か。
 はたまた幸せか。

 ひとりそんなことを考えていた。

 考えては諦め、諦めては嘆いた。
 自分には希望も未来も、ましてや幸せなんて待っちゃいない。この世界にあるのは闇だ。誰もいない。彼がいない。常闇の国。

 絶望のなかにいた。来る日も、来る日も、ずっとずっと自分の過ちを悔やんでいた。暗かった。怖かった。苦しかった。

 ──でも、もう平気。


「ごめ、岩ちゃ、……っ本当にごめんなざい! 俺、一番しちゃいけないこと、……ずっと、後悔して、本当に本当に、……ごめんなさい!」


 涙で歪んだ視界の中心。

 あの日より少しだけ髪の伸びた岩ちゃんが、仁王立ちで腕組みしたまま俺を見下ろしてる。

 上等なダークスーツではなくて、ラフな普段着姿。一度も見たことなかったけど、案外オシャレなんだね。俺びっくり。

 ああ、でも、そうだね。
 あの子に選んでもらってるのかな。


「え、うぇ、マジで岩泉?」
「マジだわ、マジで岩泉じゃん」

「おー、貴大に一静じゃねえか」

「ちょちょ、ちょ、とりま座れ」
「だな、久々に乾杯すんべ」


 ほらほら、この感じ。

 知ってるよ。
 及川さんよーく知ってる。

 丸無視だもんね。俺が涙ぼろぼろ零してごめんなさいしてるのに、見向きもしないもんね。でも俺はしょげない。

 だってこんなの慣れっこだもん。

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