第18章 陽炎(R18:カレカノ理論III)
やっとの思いでジッパーを押し下げた絢香は、さらにその奥の膨らみも暴いていった。
露出した俺自身に、彼女の指先。
触られたところから伝わってくる熱が絢香の体温なのだと思うと、それだけで目頭がツンと痛くなる。
うれしい。
愛しい。
好き、愛してる。
頭んなかはそればっかりだ。
「……っ、……!」
すでに先走りで濡れていた先端が、彼女のキスを受けとめた。思わず漏れそうになる声。
咄嗟に手の甲で口元をふさぐ。
ガチッと歯に当たったのはお気に入りの指輪だ。絢香が「退廃的」だとかなんだとか、難しいこと言ってたっけ。
「おっきくて、入ん、ない」
絢香は必死に俺を咥えて、でも半分しかその口内に収められなくて、そんで心底苦しそうな顔をした。
んなもん、入るわけない。
そんな小っさい口で咥えようってほうが無理だ。
なのに絢香は一生懸命だし。ぎこちないフェラがかわいくて俺の心臓は限界だし。ていうかもう理性も限界で。
「絢香」
俺の腹部に落ちた前髪をさらり。
やさしく撫でて、それから──
「ごめん、俺もう無理」
俺に跨っていた彼女の身体を反転させて、ふわふわしたスカートのなかのストッキングごと下着を脱がしていく。
絢香が何かを言おうとする。
その唇から、言葉を奪う。
キスして、舌を這わせて、お互いの熱を交換して。ああ、もう。このまま時間が止まっちまえばいいのに。
「絢香、お前とひとつになりたい」
「……っ、こ、たろ、でも、」
「今すぐ繋がりてえの、だめ?」
おでことおでこをくっつけた状態でねだる。俺の瞳をジッと見つめる彼女。
絢香は吐息まじりの声で、だめじゃないよ、そう言って。
うっとりと瞳を閉じた。