第16章 遊戯(R18:国見英)
未開だった花が貫かれる感覚に、思わず腰が弓なりになった。
私たちを見つめる無表情。
ただ眼前を映すだけの鏡。
私の紅潮した肌は首元まで染まっていて、英くんの白肌と対比するとより赤さが増したように見える。
緩急をつけて出入を繰りかえす指も、てらりと灯りを反射する淫らな恥部も、ぜんぶぜんぶ見えてしまう。
「すごいね、………ぐちょぐちょ」
これみよがしに。
聞かせるように。
英くんは蜜音を立てて愛撫を続けた。
甘すぎる浮遊感が下腹部をふわつかせ、火照りきった目元からは生理的な涙がこぼれおちる。
出したいのに出せない声。
抑圧されて爆ぜる寸前の小さな蕾が、彼に解されるなかが、その限界を訴えている。
「……ん、……っん、ぅ」
彼の言いつけが守れない。
もう無理。
イッちゃうの。
瞳いっぱいの涙で彼に懇願すると、英くんは「しょうがないな」とだけ囁いてローターと指を引き離した。
ドサッ……!
マットレスに背中が沈む感覚。
私をベッドに押し倒した彼は、しかし、すぐにその上体を起こしてしまう。
カチャリ、金属製のバックルを外すような音が耳に届いてはじめて、英くんが自身を露わにしていることに気付いた。
壁際に置かれた寝具。
すぐ手の届くところに置かれたシルバーラックから避妊具を取りだして、彼は、硬くなった屹立にうすい皮膜をかぶせていく。