• テキストサイズ

(R18) 行かないで青春 (HQ)

第16章 遊戯(R18:国見英)




(ね、声かけてみよっか?)

(みよみよ、メアド渡そ!)



 優越感のような。
 やきもちのような。
 妙なきもち。

 胸のあたりがモヤモヤする。


「あのー……、私も注文、を」


 踵を浮かせてひょこひょこ。

 自分の存在をアピールするためにショーケースから顔を覗かせてみるのだけれど、店員のお姉さんたちはまるで無視。

 いや、無視ではないのかもしれないけれど。本当に気付いてないだけなのかもしれないけれど。

 私が小さすぎて。




「絢香、とろい、アイス溶ける」




 そのとき、だった。

 何度注文しようとしても気付いてもらえないので、大好きなメルティショコラを諦めようとしていた。

 そんなときだった。

 背後から英くんの声がしたのだ。
 同時にどすっ!という重たい衝撃。


「ぎゃっ! いたい!」


 どうやらチョップされたらしい。

 それもなかなかの強さで。

 視界に星くずが散ったのかと思うくらい痛かった。でも、そのおかげで店員さんに気付いてもらうことができた。

 ちょっと、ううん。

 だいぶ腑に落ちないけれどもね。

/ 454ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp