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(R18) 行かないで青春 (HQ)

第15章 禁忌(R18:岩泉一)



 *


 午後八時──


 二次会へと向かう門限ゆるい派の友人たちに別れを告げて、私は地元の駅まで帰ってきていた。

 他には親超厳しい派や、そもそも門限とかない派などがあるが、ちなみに私は嘘ついて門限破る派である。

 今日の打ちあげ用に「友達ん家に泊まるね」というベストな嘘を用意しておいたのだが、まさか、それを岩泉先生のために使うことになるなんて。


 どうしよう。
 超、超、緊張する。


 大体そもそも何で先生はあんなこと言ったのか。今まで何度アプローチしたって毛ほども靡いてくれなかったのに。

 この前ブラを見せたから?
 まさか、本当にその気に?

 う、わああ、もしそうだったとしたらどうしよう。私今日かわいい下着付けてるっけ。ああ、そうだ、先生が好きそうな白レース上下だから大丈夫。

 生理は、まだ。

 ゴム、持ってる。
 いやでもそれは先生も持ってるよね。だって大人だし。



「──……って、そんなワケないか」



 駅前商店街のアーケード。

 古びた書店の看板が照らすコンクリートに立って、ふと我に返る。

 あの、岩泉先生が私なんかに、生徒なんかに、手を出すワケがない。出してくれるはずがない。そんなこと。


「……とっくに分かってるのにね」


 期待しちゃうよ。

 だって、好きなんだもん。

 好きな人にあんな声で囁かれたら、女の子なら誰だって期待する。でも、先生に限ってそれはない。

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