第15章 禁忌(R18:岩泉一)
「大丈夫ですか?」
「……え?」
「顔色、悪いですよ」
心配そうな面持ちで俺を覗きこむ金田一は、その両腕一杯にカラーハチマキを抱えていた。
今日は体育祭なのだ。
各組ごとにクラスカラーが決められており、学年の枠を越えた色別対抗戦が繰り広げられる。
ちなみにこれは俺と金田一が在学中の話だが、俺たちはともに五組だったため【黄連】に属する戦友だった。
黄色連合だから、黄連。
五組は黄色がクラスカラーである。
また、各色連からは男女一名ずつの団長が選出され、連合ごとにテーマを決めた応援合戦をする。
応援というより、パフォーマンス合戦といったほうが正しいだろうか。
当時俺は団長に任命されていたため、黄色い特攻服を着てワンナイ○カーニバルを踊る羽目になった。
ちょっと古めの曲だ。
氣○團、とかいう奴。
リーゼントのカツラだけは必死こいて拒否したけど、それでも死ぬほど恥ずかしかった。
六組青連の団長はもちろんのごとく及川で、テーマがシンデレラだったことをよく覚えている。及川の王子様コスプレと、そのダンスの華やかさときたら。
死ぬほど気色悪かった。