第2章 嗚呼、愛しのバーレスク!(R18:影山飛雄)
「ねえ、本番する?」
それは何気ない、本当に何気にない問いだった。うちの店を含めてヘルスは【本番行為禁止】なのだけれど、余分にお金が貰えるのだからヤッてしまう風俗嬢が後を絶たない。
私も多分に漏れずそのひとり。
いい感じに硬くなってるし、少しでも稼ぎたいし、ついでに顔も悪くない。この客になら挿れられてもいいかなあ、と思った。ただ、それだけのことだった。
なのに。
「……アンタさ、そんなんでいいのか」
彼は、名も知らない若いホストは、急に真剣な眼をして問いかけてくる。
心配?
叱咤?
ううん、これはたぶん──
「店のルール破ってまで身体売って、よくないだろ、そういうの。もっと自分を大事にしろよ」
憐れみだ。