第14章 衝動(R18:花巻貴大)
俺は、おかしいのだろうか。
何年も寄せつづけた想いがようやく報われたというのに、眼下に広がる柔肌を、絢香のことを、めちゃくちゃに犯してしまいたくなる。
壊したい。
嬲りたい。
呼吸もままならないほどに蹂躙して、酷くして、その過去ごと傷つけてしまいたい。
男の惰弱な、──衝動。
「……っ貴大、痛、あっ」
狂気じみた衝動に突き動かされて、乱暴になってしまう愛し方。
なだらかな乳房にできた凸起を強めに齧ると、彼女は俺の背中に爪を立てて「痛い」と漏らした。
やべ、つい。
絢香の声と痛みに弾かれて、意識が冷静を取りもどす。咄嗟に彼女から距離を取る。
俺は直ぐさま痛くしてしまったことを謝ろうとしたのだが、しかし、視線の先にある絢香の瞳はどういうワケか恍惚に歪んでいた。
これ、は、もしや。
「痛くされるの好きなんだ?」
にやりとして問えば、ほら、返ってくるのは恥じらいと吐息。絢香が羞恥に肌を赤らめる。
有無を言わさず彼女の両脚を割り、下生えに隠された蜜口をくぱりと広げた。
悦楽に満ちた花。
しとどに、濡れる。
背筋がゾクリとした。深い息が漏れた。一気に心拍が上がる。
もう、止められそうにない。
絢香の紅潮した頬にキスをして、耳朶には甘噛みを、それからとびきり声を低くして俺は囁いた。
「もっと噛んでほしい?」
それとも。
「──俺でぐちゃぐちゃに犯してやろうか?」