第14章 衝動(R18:花巻貴大)
絢香は俺の反応をよく観察しているようで、竿との繋ぎ目がいいところだと知ると、執拗にそこだけを責めた。
緩急をつけて擦れる掌。
男にはないその柔らかさが、まるで愛しむかのように、穏やかな快感を与え続ける。
「あの、……絢香先生」
「はい何でしょう花巻くん」
「僕もうイキそうなんですけども、どうすればいいスかね」
「んー、貴大はどうしたい?」
「んなのお前のなかでイキたいに決まってんだろ」
ほら、どけ。
俺はそう言いながら、腹部に力をいれて上体を起こした。
近くなる絢香の唇。
そのピンク色に触れるだけのキスをして、ちょっと強引に押し倒す。
「今度は絢香がきもちくなる番、な」
石鹸が香る首筋に口付けを。
左右に伸びた美しい鎖骨にはそっと歯を立てて、ふるりと実る乳房に五指を絡めさせていく。
やっと俺のになった絢香の躰。
愛しい。
苦しい。
愛しいのに、苦しいのだ。
好きが募りすぎて。
醜い嫉妬に駆られて。
『俺、昨日無事に卒業しました☆』
『へー……そっ、か、よかったな』
──……息が、できなくて。