第2章 嗚呼、愛しのバーレスク!(R18:影山飛雄)
ぎこちない仕草で腰を曲げながら、彼はぷくりとした肉芽を舐めあげた。チロ、と出された舌先は温かい。
まるで小動物がミルクでも飲むかのような、可愛らしい愛撫だと思う。
「……くすぐ、ったい」
「す、すんません」
「別に怒ってるんじゃなくて、」
「…………?」
要領を得ないらしい新人くんの、艶のある黒髪を掴んで下方に押しつけた。くぐもった「んむ」という声と共に、彼の柔らかい唇がいいところにキスをする。
「もっと、乱暴にしてほしいの」
私のおねだりを聞いた彼は面食らったような顔をしたが、それは一瞬のこと。
すぐに男の顔付きに戻った彼は、私の花襞を左右に開いて淫らに舌を滑らせていく。ゾクリとした甘美な疼き。
埋もれていく。
沈んでいく。
ああ、どうかこのまま、忘れさせて。何もかも忘れて、過去も現実も、未来さえも、すべて消えてしまえばいい。
快感に身を捩るふりをして、心からそう願った。