第2章 嗚呼、愛しのバーレスク!(R18:影山飛雄)
「んじゃ、さっさと始めましょ」
「え? ちょ、……っう、ぁ」
ことの発端は数分前。
優の顔馴染みのホスト二人組が来店したところまで遡る。
貴大と、一静。
彼らはクラブキャッスルのナンバー入りホストであり、かの有名な及川徹の同僚だ。ちなみに全員もれなく私の【元客】である。
「そん、な、いきなり……っ」
「だって時間が勿体ないでしょう? それにほら、お兄さんのここ、……もう準備万端みたいだし」
いやな予感がした。
むしろ、いやな予感しかしなかった。あの店の連中に関わるとロクなことがないのだ。
貴大と一静はブッ飛んだプレイばかり要求してくるし、今回だって、二人仲良く来店したかと思えば「新入りを一人前の男にしてやってくれ」とかなんとか。
二度と、関わりたくなかったのに。
思い出してしまうのだ。
彼らを見るだけで、嫌でもあの男の顔が浮かんでしまう。
身を焦がすような恋をした。誰になにを言われようがあれは、たしかに恋だった。そう、私はあの男に、及川徹に恋をしていたのだ。